ジリジリと焼けたアスファルト、鼓動にも伝わる蝉の音、
グラウンドから聞こえる若者の咆哮、誰もが経験したことのある古き良き日本の夏。
乙女の名は夏海。齢16。舞台は田舎町。
乙女は走る、前だけを向いて。想い出の詰まるこの地を。踏みしめて。
ひたすら走る。昨日を明日を今を。ほとばしる汗をぬぐいながら。
もはやそれは汗なのか涙なのか、誰にも分からない。
そう、ここから乙女の物語は始まる。
これから待ち受ける大いなる道のり、出会い、別れ。
そんな乙女のたった一度しかない夏を舞台にした青春群像活劇。
命短し、恋せよ乙女。